全日本ペン回し選手権大会 対戦カード/見所解説
MCのZUMIが対戦カードの見所を紹介!選手のバッグボーンやストロングポイントを把握すれば、試合観戦がもっと楽しくなる!観戦前に是非チェックしておこう!
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試合順
第1試合 / Riason vs. iroziro [Special match 1]
見所解説
2009年、第1回のNPFが開催された。オフ大会としてはまだまだ黎明期。
生のペン回しに対する価値観や審美眼が育っておらず、凄い事やったもん勝ちの印象すらあった。
そんな時代にもかかわらず、青いRSVP Moonz MXを片手に、基礎コンボだけで3位に食い込んだ男がいる。
その男、Riasonである。JapEnに3度出演した古豪。Kabu等に代表されるオールドスクール専攻型とは異なり、タップや切り返しの多用も厭わない独想型だ。小技1つ1つの精度が高い。
対するは現役トップのiroziro。
NPFでのRiasonの勇姿を観客席から眺めていた少年は、JapEnの大トリを務めるまでに成長した。
2018年にはAlcor Spinning Cypherに出場。決勝ではペン回し界の歴史に残る音ハメ2軸連打でhashを下し、優勝を果たした。
ところでその最終ラウンドで使用していたペン。どこかで見覚えのある青Moonzなのだが‥。
そのまさかである。実はこのMoonz、NPFやJapEn4thでRiasonが実際に使用していたものだ。あるスピナーが彼から譲り受けていたものを、iroziroはバトル直前に借りた。その時初めて触れたペンにもかかわらず、指に吸い付くように技は決まり、ノーミスで演技を終えた。その姿にはRiasonの魂が宿っていたようにも思えた。
そして2022年、8月の渋谷で2人は再会する。
ペン回し大会の過去と未来。JapEnという名の誇り。そしてMoonzが繋いだVP勢の物語。
そのすべてがスクランブルするこの場所で、至高の戦いが幕を開ける。
第2試合 / Laku vs. Nk [準々決勝 1]
見所解説
両手界のパイオニアであるLakuは今なおバリバリ現役で、World Cupでも絶賛活躍中。
NPFでは優勝2回、準優勝1回と、ポーカーフェイスで舞い続けられる鉄の心臓を持っている。
Nkは緻密に練られた構成が魅力で、リズム感も心地よい。JapEnには3年連続出演中。
暴れん坊の多いKT使用者の中で、ミドルテンポで滑らかに回すのが彼独自の味となっている。
時は2018年のJAPAN CUP団体決勝。Laku、Menowaらを擁する旋転技術研究会(旋技研)と、Nk、fukrouらを擁するROOKIES 9が頂点を争った。LakuとNkの直接対決はなかったが、チームとしては旋技研が勝利した。この頃のROOKIES 9は皆JapEnに出演する前で、その名の通り、まだルーキーだった。
あれから4年。現在NkはTANOCに所属している。直近のPSA CUP優勝チームであり、今大会決勝にはAiMo、TUv4も送り出している。古くはESから、NG、Lovetrap、旋技研や秋座愉快らが担ってきた日本のトップチーム像。今後TANOCはこれを継承し、これからの日本を引っ張っていく存在になるだろう。
ex.旋技研のLakuからNkへ、そのバトンが渡される。越えるということが、立ちはだかるということが、互いへの最大のエールとなる。
あの頃のルーキー達へ、そしてこれからのルーキー達へ捧げる、覚悟の一戦。
第3試合 / TUv4 vs arys [準々決勝 2]
見所解説
神奈川勢と言えばMalimo,VAINらを輩出した、いわばペン回しの名門である。
そんな神奈川をレペゼンする二人が日本最高峰の舞台で激突する。
arysの磨き抜かれたオールドスクールスタイルには、あのhashも太鼓判を押す。
小手先では真似できない深みとセンスが武器だ。近年のサイファーを振り返ると 〝VP勢がオフラインで勝てない時代〟はとうに終わっている。目の肥えたオーディエンス達の魂にブッ刺さるムーブで勝負したい。
対するは若き天才JapEnスピナー、TUv4だ。唯一無二の変則スタイルで世界大会でも活躍中。
目を疑うようなペンの挙動、現在進行形でペン回しを進化させるその姿は、かつてのFel2framを彷彿とさせる。
オフラインはデビュー戦であるが、雰囲気に飲み込まれず自分流を出し切れるか。
オールドスクールVS最先端。言わずもがな、この試合はペン回しの歴史上最もギャップのあるスタイルウォーズである。ここに勝敗をつけるなど、ナンセンスと思う方もいるだろう。
が、それこそ戦いのロマンではないか。なにが正しいかではない。どちらが強いかで決めようではないか。神奈川〝最強〟決定戦。 ペン回し版〝アントニオ猪木VSモハメド・アリ〟に刮目せよ。
第4試合 / AiMo vs. kAtts [準々決勝 3]
見所解説
「令和のペン回し研究室」があるのならば、教授は間違いなくAiMoだ。
ペン回しの本質的な解明や技術の体系化に挑んでおり、ミステリアスな技運びにはその成果が表れている。SoY2021の第1位であり、優勝候補の呼び声も高い。
さて、そんなAiMoを研究室ごとぶっ潰してしまいそうな危険な男。重戦車kAttsが初戦の相手だ。
何でもできる器用系で、スプレッドや両手等の引き出しも多い。夏の陣2019ではMenowa*相手にノンストップで攻め続け、勝利している。
世代としてはkAttsがやや上、歴としては2年長い。AiMoがデビューからわずか数年でJapEn13th出演を果たしたのに対し、kAttsは大会では準優勝止まり、下積み期間が長かった。そして8年目にして掴んだJapEn15thという栄光。上映会での高らかなガッツポーズと多くのスピナーからの祝福は、その努力を物語っている。
AiMoは時に孤独を口にする。それはまだ、彼の領域まで踏み込めるほどの者がいないからだ。
しかし彼はたった1人でも挫けることなく、新たな表記法である「メカニカル表記法」や「軌道分析表記法」を作りあげた。まさに情熱の結晶だ。ペン回しの未来に繋がる研究に最大のリスペクトを表したい。
そんな二人は日本のCV史上最高レベルと言われたJapEn17th出演者同士。紛れもなく、現役最高峰の戦いが始まる。ペン回しとは、諦めなかった者達による、情熱の背比べである。
第5試合 / Menowa* vs. Nanafushi [準々決勝 4]
見所解説
2008年の全国大会。優勝候補のSaizen、key3らを下して頂点に立ったのは、当時16歳の高校生、ノーマークのSEVENだった。この出来事はペン回し界の〝下克上〟と呼ばれている。
そして2022年の日本選手権。史上最大の下剋上に挑む男がいる。今大会唯一の18歳以下での8強入り。15歳の高校生、Nanafushiである。
今年のJAPAN CUP団体戦(U-18)では準優勝を果たし、勢いに乗っている。滑らかなパスに変則のジャパニーズモーションを取り入れたスタイルが特徴だ。
ここに立ちはだかる、あまりにも高すぎる壁。世界のMenowaはTVに出演した際こう話していた。
「ペン回しのすべてを網羅した図鑑になりたい」その言葉通り、今なお独自研究と鍛錬を重ね、進化し続けている。
世界王者、NPF連覇、SoY1位と、数々のタイトルを獲得してきた彼だが、意外にも対面バトル系大会での優勝経験は無い。最強の証明と言う名のパズルに残された、最後の1ピースを、本気モードのMenowaが取りに行く。
すでに実力が知られてしまっているMenowa*に対し、Nanafushiはオフライン初参戦であり、そもそも世に出ている動画数が少ないということが逆に武器となる。一発勝負の舞台。未知のスキルで沸かすことができれば、勝機が見えてくる。
レジェンド vs 新世代の旗手 in 全日本選手権。最強の証明か、下剋上の再来か。
第6試合 / ponkotu vs. ハルケロ [Special match 2]
見所解説
日本ペン回し界が誇るグレイテストショーマン2人による夢の競演がついに実現する。
ハルケロは04杯のチャンピオン。皆が机上のペン回しで戦う中、決勝ではスタンディングで勝利。世界大会でも遊び心たっぷりのスタイルで大いに沸かせた。
Twitterでは、鬱屈した学生時代を送ってきたおじさんスピナー達は目を覆いたくなるような青春謳歌っぷりを投稿中。放送コードギリギリの全裸スピンも話題になった。そんな過去に前例のないような飄々としたキャラクターも魅力の一つだ。
迎え撃つのはスタンディング界のレジェンド、ponkotu。本大会とほぼ同形式である、戦転GROOVE2015の準優勝者だ。
耳や背中、顔すらも彼にとっては一つの〝軸〟となる。ペンに触れていない身体のポージング1つ1つにも工夫があり、ダンス的な表現力で言えば世界一といっても過言ではない。
ハルケロが学生代表ならponkotuは社畜代表。激務の中のわずかな時間を捧げるペン回しこそ青春じゃい!と高らかに宣言したい。
生まれも育ちもキャラクターも、何もかも違う2人をつなぐキーワードは、とにかく自由であるということだ。技術で人々を唸らせるペン回しがあるなら、常識を越えたアイデアで人々を笑顔にする、そんなペン回しがあってもいいじゃないか。コロナや不景気で元気のない日本に、渋谷のステージから勇気を届けます。
PEN SPINNING IS FREEDOM. ペン回しがあるからこの世界は素晴らしい
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